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#5Gソリューション#共創#アジャイル開発

5Gソリューション開発競争が加速。
「共創競争」の勝者は誰か

2021年08月20日

5G基地局の整備が急ピッチで進む中で、携帯各社とそのパートナーによるソリューション開発競争が加速している。利用者のニーズに応える5G体験の創出に向けた、各社のパートナープログラムの現状や、実証実験を行う拠点の整備状況を追った。

商用サービス開始から1年半が過ぎ、ソリューションの充実が求められる段階に

2020年3月、日本で5Gの商用サービスが開始されてから1年半となる。まだ、全国どこでも5Gが利用できるという状況には至っていないが、5Gに対応する携帯端末の種類も増えた。また、3万円台の端末や5G対応の格安料金プランが登場するなど、5Gを手軽に利用できる環境は整いつつある。通信環境の整備も急ピッチで進む。2022年3月末までには、NTTドコモが5G周波数帯のみで人口カバー率55%、KDDIとソフトバンクは、4G転用分も含めた5Gの人口カバー率90%超の達成を見込む。

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5G対応端末や基地局などのインフラが整えば、後は、5Gを利用したソリューションやキラーコンテンツの質や量が、5G通信普及の鍵を握る。通信各社は、パートナー企業との共創プログラムを立ち上げ、ソリューションの創出に注力する。楽天モバイルネットワークは、パートナープログラムの新規募集を取りやめているが、楽天以外の携帯3社の取り組みの現状は以下の通りだ。

パートナー企業数5,000社を視野に入れるNTTドコモ

NTTドコモは、2018年2月に「5Gオープンパートナープログラム」を立ち上げ、早期から5G関連情報やパートナー同士のビジネスマッチングの場を提供している。同プログラムの参加企業は2021年6月末で4,000を超え、パートナーとの共創により300を超える事例が生まれている。これまでは、北海道から沖縄まで、全国10ヵ所に設置されたドコモ5Gオープンラボが共創の場となってきたが、2021年7月、ドコモは人材・技術の交流の場をさらに拡大するため、新たに「ドコモ 5G DX スクエア」を展開することを発表した。

「ドコモ 5G DX スクエア」では、ミライトや富士通、アクセンチュアなどのパートナー企業が、ローカル5GやDXソリューションの創出といったテーマに合わせたソリューション開発・実証の場を提供する。ミライトは、ローカル5Gをテーマに、ミリ波による超高速大容量通信を活かしたソリューションの開発・検証や無線エリア構築のための技術検証を目的としたローカル5Gソリューション協創ラボを4月に開設し、運営している。「ドコモ 5G DX スクエア」は、既存のドコモ5Gオープンラボとあわせ、全国17拠点でスタートし、2022年3月末までに全国50拠点まで拡大する方針だ。

コロナ禍で、KDDIは全てのプロセスをオンライン化

KDDIは、2020年10月より、「KDDI 5G ビジネス共創アライアンス」を開始した。同社の5Gビジネス開発拠点であるKDDI DIGITAL GATEでは、「アジャイル開発」の手法を用いて数週間でプロトタイプの具体化が可能だ。今年からは、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、そして、リモートワークが普及する中で柔軟な対応を可能とするため、全てのプロセスをオンライン化している。

KDDI DIGITAL GATEのバーチャル体験ツアー イメージ
KDDI DIGITAL GATEのバーチャル体験ツアー
(写真提供:Synamon)

拠点の体験ツアーをバーチャルで行うだけではなく、デザイン思考のワークショップや、プロトタイプの開発までもオンラインで行うことが可能だ。KDDI DIGITAL GATEの体験ツアーをバーチャル空間でできるようにした他、第2ステップであるデザイン思考をベースとしたワークショップ、第3ステップのアジャイル開発チームによるプロトタイプ開発も全てオンラインで行う体制を整えた。

実際のKDDI DIGITAL GATE(左)と、バーチャル空間に再現されたKDDI DIGITAL GATE イメージ
実際のKDDI DIGITAL GATE(左)と、バーチャル空間に再現されたKDDI DIGITAL GATE
(写真提供:Synamon)

ソフトバンクは、「製造」、「運輸」、「建設」、「医療」、「スマートシティ」分野に注力

ソフトバンクは、2021年6月、社会全体で5Gの活用を加速させることを目指して「ソフトバンク5Gコンソーシアム」を設立した。「製造」、「運輸」、「建設」、「医療」、「スマートシティ」の5つを重点テーマとして、5G活用のモデルケースを作り、その領域全体に展開できるソリューションの開発・商用化を目指す。同コンソーシアムは、ソフトバンクが2019年2月に設立したパートナープログラム、「ONE SHIP」の一部であり、設立1ヵ月で約550社が参画し、現在もその数は増え続けている。

5Gの実証実験の場としては、ソフトバンクの竹芝ラボと、5G X LAB OSAKAが利用可能だ。5G X LAB OSAKAは、2025年の大阪・関西万博を見据え、5Gを活用した製品・サービスの創出を支援するために2020年10月にオープンした。そこでは、MRデバイスを活用したソリューションや、遠隔作業支援システムなど各種ソリューションが展示されているほか、持ち込み機器やアプリケーションの動作検証を行うことができる。

5G X LAB OSAKAの様子 イメージ
5G X LAB OSAKAの様子
(写真提供:ソフトバンク)

新規のパートナー募集を取りやめている楽天モバイルネットワークを含め、携帯各社は、パートナー企業との共創で、5Gを活用したソリューションの開発、商用化に挑む。キラーコンテンツを開発し、5Gサービスの勝者となる会社が生まれるのか、各コンソーシアムの動きには今後も注目だ。

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