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#ワーク・ライフ・バランス#テレワーク#新型コロナウイルス#AI

ICTやAIを活用した、Withコロナ時代の働き方改革

2021年06月21日

近年、「ワーク・ライフ・バランス」が叫ばれるようになり、日本人の働き方は大きく変化した。2019年4月1日に施行された働き方改革関連法も、その動きを後押しする。特にテレワークについては、2020年以降、導入が急加速している一方で、コミュニケーション不足といった弊害も顕在化している。ICTやAIを活用した、withコロナ時代の働き方改革の現状を紹介する。

テレワーク普及で、再評価されるオフィスの価値

2020年度、テレワークの導入により、IT企業をはじめ多くの企業が、通勤費用や販管費の削減によりコロナ禍での増益を達成した。在宅勤務には、オフィス関連費用削減や、柔軟な働き方による離職の防止というメリットがある。しかし、テレワークが一般的になるにつれ、社内のコミュニケーションや会社への帰属意識の低下、仕事へのやる気の喪失など、テレワークの弊害もまた明らかになりつつある。

テレワーク イメージ

米国IBMやYahoo!など、コロナ禍となるはるか以前からテレワークを導入していた企業は、2010年代、チームワークや一体感、コミュニケーションの不足を理由にテレワークを廃止する方向に舵を切った。Googleも、コロナ禍となる以前は、テレワークを禁止していた。これは、イノベーションは社員同士の何気ない出会いや会話から生まれる、という考え方による。GoogleのピチャイCEOは、コロナ禍の最中である2020年5月、社員向けのメッセージで、「イノベーションが生まれるオフィスを失いたくない」と改めてオフィスでのコミュニケーションを重視する姿勢を改めて明らかにしている。

ICTやAI技術の活用で、テレワークの弊害を解消

とはいえ、新型コロナウイルス感染症流行が長期化する中で、多くの企業がテレワーク導入を余儀なくされているのが実情だ。上述のIBMやYahoo!も、コロナ禍でテレワークを再開している。こうした状況下で、ICTやAI技術を活用し、テレワークによる弊害を最小化しようという取組みが活発化している。

例えば、バーチャル空間上にオフィスやイベントスペースを作る「oVice」のようなサービスがある。同僚が声をかけられる場所にいて、「同じ場所で働いている」という感覚を提供することで、一体感や帰属意識を高めたり、Zoomなどのオンライン会議ツールではやりにくい雑談や立ち話を促す仕組みだ。類似のサービスである「remonade」は、他の社員が、いまどんな仕事をしているのか、そしてその進捗度をリアルタイムで可視化するツールだ。他にも、「TeamSuite」や「Ageru」など、社員のコミュニケーションやコラボレーションを活性化させる様々な仕掛けを盛り込んだアプリやツールが次々に開発されている。

オフィスの感染症対策にもICTやAIを活用

働き方を変えるだけでなく、ICTやAI技術で企業や社員を守るツールも登場している。富士通や大日本印刷は、手洗いを正しくできているかをAIで確認するツールを開発した。AIで手洗いの様子を確認し、適切な洗い方ができていない場合は、エラー表示がでたり、モニターに正しい手洗い手順を示す動画が流れる仕組みだ。通常の手洗いでは、ATPふき取り検査(※注1)(衛生状態が保たれているかを確認する検査)で基準値を達成するのは30%程度とされるが、大日本印刷の「手洗いAIサービス」を利用した場合は、基準値の達成率が90%程度となり、また、個人差も抑えられたという。オフィスや学校はもちろん、食品製造工場や飲食店で、このようなツールの利用が進む。特に食品業界では、義務化されたHACCP(※注2)に基づき、エビデンスにもとづく衛生管理が求められるため、こうしたツールへの期待が高まっている。

衛生管理 イメージ

オフィスにおいても、サーモグラフィカメラを利用した発熱者検知や、マスク着用有無を検知するソリューションなど、ICTやAI技術を活用し、感染症対策を行うことが一般的になった。オフィスや喫煙所などの混雑度をリアルタイムでモニタリングし、密を避けるソリューションも登場している。ミライトが開発したオフィスの混雑度を可視化するツール「AIオフィカ」は、混雑状況を見える化することで、空いている時間の利用を促したり、定員を超えると警告アナウンスを発信する。

プライバシーにも配慮した働き方改革の実現

こうしたカメラを活用した対策では、プライバシーやセキュリティ対策が必須となる。例えば、野村総合研究所が開発した、AIカメラでマスク着用の有無を判断するツールでは、撮影した画像はカメラ側でエッジ処理するため、クラウドには解析データのみが送信される。画像データは送信されないため、個人情報の漏洩リスクを抑えることができる。同じく、「AIオフィカ」は、実際の画像ではなく、ヒートマップで混雑度を可視化するため、個人の特定につながるような情報は収集、分析されない。

AIオフィカ イメージ

withコロナ時代の働き方改革の実現には、ICTやAI技術の活用することにより、テレワークのデメリットを抑えつつ、感染症対策とプライバシーへの配慮を両立していくことが求められる。これからも、最新技術を活用した多様なソリューションが登場することを期待したい。

注1: ATPふき取り検査とは、生き物を含む多くの有機物に含まれるATP(アデノシン三リン酸)を汚れの指標とした検査方法のこと。食品等の製造設備、調理器具、高頻度接触面、医療器具などが、洗浄後にきれいになったかを確認する清浄度検査(環境検査)に用いられる。約10秒の測定で結果が分かり、また結果は数値で表示されるため、客観的な管理が可能である。
注2: HACCP(ハサップ)とは、「Hazard(危害)」「Analysis(分析)」「Critical(重要)」「Control(管理)」「Point(点)」の5つの単語の頭文字に由来する、衛生管理の手法。食品の製造・出荷の工程で、どの段階で微生物や異物混入が起きやすいかという危害をあらかじめ予測・分析し、このような危害要因を除去または低減させるために、特に重要な工程を管理し、食品の安全性を確保することを目的とする。日本では、2018年に「食品衛生法」が改正された際にHACCP義務化がもりこまれた。2020年6月から施行が開始され、一年間の移行期間を経て2021年6月からは完全に義務化になる予定となっている。

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