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#動物園#水族館#遠隔授業#疑似体験#VR

動物園や水族館でも進む
5Gによるデジタル化

2021年09月17日

5Gを活用した4K、8Kといった高精細かつ低遅延の映像配信をARやVRなどの最先端技術と組み合わせれば、遠隔からでもさまざまな臨場感溢れる体験が味わえる。それは、スポーツ観戦や音楽ライブなどエンターテイメント分野に限った取り組みではない。動物園や水族館においても、5Gによる高精細な映像配信によって動物鑑賞を疑似体験させるだけでなく、さまざまな情報提供サービスのデジタル化にも取り組もうとしている。

5Gでリアルタイムに動物の生態を知る

動物園や水族館などの動物を定点観測するサービスは、従来からいろいろと提供されてきた。それらのサービスでは、Wi-Fiや4Gによる通信を利用して、パソコンやスマートフォンで動物たちを鑑賞していた。その通信技術が5Gに代わると、どのようなサービスが提供できるようになるのだろうか。

5Gでリアルタイムに動物の生態を知る イメージ

KDDIは2018年から、旭山動物園やよこはま動物園ズーラシア、天王寺動物園などと協力し、動物園とデジタルをコラボさせたアプリ「one zoo」を提供している。最近になって、5Gを活用した新しい動物園の楽しみ方として、マルチアングル動画の提供やAIカメラで動物の個体を見分けてさまざまな情報を調べられる「one zooスコープ」といったサービスを追加した。

こうした、動物園の疑似体験ともいえるサービスが5Gに対応することで、映像がより高精細になって臨場感が増すが、映像配信で5Gを活用するメリットはそれだけではない。実際に動物園に行くと、飼育員が動物たちの見せる仕草や行動についてその場で説明してくれる。今後は、動物園の疑似体験サービスでも、動物たちの仕草や行動についてAIがリアルタイムに解説してくれる機能などが設けられると思われるが、従来の通信技術では遅延によってタイミングがずれてしまい、刻一刻と変化する動物の仕草や行動に対応することが難しい。

KDDIがサービスを5Gに対応させたことで、アプリで見ている画面に遅延がなくなり、AIによるリアルタイム解説によって利用者が動物の生態をより深く理解できるようになると期待されている。

水族館を利用した遠隔教育も5Gで実現

どんなに5Gで高精細に動物たちの様子が自宅からでも見られるようになっても、やはりリアルに動物に接しなければ生命を感じることは難しいだろう。とはいえ、世の中にはさまざまな理由で実際に施設に足を運べない子どもたちもいる。そういった子どもたちにも、5Gを活用したよりリアルな映像で動物のことを知ってもらいという思いから、関西学院大学と富士通が共同で、病気や障がいなど何らかの理由で外出が困難になり、院内学級で学んでいる生徒のために水族館の校外学習の実証実験を行った。

実験では、NTTドコモから5G基地局などの設備の提供協力を受け、国立成育医療研究センター内の光明学園そよ風分教室と沖縄美ら海水族館を接続し、水族館職員によるジンベエザメの特徴や生態に関する解説や餌やりの観察などを実施した(図1)。

事前に収録した水中ドローンや全天球カメラを使用したVR映像の配信では、ヘッドマウントディスプレイをつけた子どもたちが水槽の中を泳ぎ回るような気分を味わった。巨大なジンベエザメなどに出会うと、リアリすぎて「怖い」と感じる生徒もいたという。沖縄美ら海水族館以外にも、八景島シーパラダイスと横浜南養護学校を結んだ同様の実証実験も行われている(写真)。

関西学院大学と富士通が実施した水族館の校外学習の実証実験 イメージ
図1 関西学院大学と富士通が実施した水族館の校外学習の実証実験
(富士通のプレスリリースより引用)
八景島シーパラダイスと横浜南養護学校を結んで行われたヘッドマウントディスプレイによるVR映像の鑑賞 イメージ
写真 八景島シーパラダイスと横浜南養護学校を結んで行われたヘッドマウントディスプレイによるVR映像の鑑賞
(写真提供:富士通)

5Gを活用した園内の混雑情報の提供も

一方で、動物園では映像配信だけでなく、さまざまなサービスで5Gを活用しようとする動きもある。レクリエーションや環境学習、種の保存、調査・研究などの事業の発展を目指してデジタル化を進める東京動物園協会では、KDDIと「5G等を活用した事業の実施に関する基本協定」を締結。取り組みの一環として、5GとAIカメラを活用して恩賜上野動物園内各所の混雑度情報を表示する「上野動物園混雑マップ」を提供している。

取り組みでは、動物園内に設置されたカメラ映像をAIで解析し、混雑が予想される5つのエリアに対して1分間隔で混雑情報を提供。混雑情報は公式ホームページで、パソコンやスマートフォンから閲覧できる(図2)。上野動物園は混雑をさけながらの観覧に役立ててもらうとともに、混雑度のデータを活用して安全安心な観覧環境の改善にも活用するという。

東京都では今後、恩賜上野動物園以外の都立動物園・水族園 (多摩動物公園、葛西臨海水族園、井の頭自然文化園) においても、本協定に基づき、5Gなどを活用した事業のデジタル化に取り組んでいくという。

5Gを活用した上野動物園の混雑マップ イメージ
図2 5Gを活用した上野動物園の混雑マップ
(東京ズーネットのWebページより引用)

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