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#オリンピック#オリンピック・バーチャルシリーズ#eスポーツ

オリンピック・バーチャルシリーズ(OVS)で、eスポーツの認知はさらに拡大

2021年07月30日

新しいオリンピックのデジタル体験

2021年5月から6月にかけて、第一回目のオリンピック・バーチャルシリーズ(OVS)(※注1)が開催された。国際オリンピック委員会(IOC)が「新しいオリンピックのデジタル体験」として初めて公式開催するもので、6月23日には、野球、自転車、ボート、セーリング(ヨット)、モータースポーツの5種目の決勝が行われた。

野球の表彰式の模様(写真提供:コナミデジタルエンタテインメント)

野球の表彰式の模様(写真提供:コナミデジタルエンタテインメント)

野球の決勝大会には、コナミデジタルエンタテインメントの「パワフルプロ野球」が採用されており、日本、韓国、台湾のプレーヤーが参加し予選を通過した11名の選手によるトーナメント形式で実施された。予選を通過したのは全員が日本人で、決勝戦は、eBASEBALL プロリーグの阪神タイガース代表と、同プロリーグの埼玉西武ライオンズ代表の戦いとなった。eスポーツの普及が遅れていると言われる日本においても、eスポーツの環境整備が進み、プロ選手のレベルが上がっていることが伺える。

野球の決勝大会にあわせ、ホームランダービーも開催された
(写真提供:コナミデジタルエンタテインメント)

野球の決勝大会にあわせ、ホームランダービーも開催された
(写真提供:コナミデジタルエンタテインメント)

リアルとeスポーツ、二足の草鞋で世界の頂点を目指す選手も登場

身体を動かす「フィジカルスポーツ」を行うオリンピックの場には、ゲームという「マインドスポーツ」はそぐわないという声もある。しかし、現在のeスポーツのプロ選手の多くは、他競技の選手同様に肉体的なトレーニングも行っており、実際に、リアルとeスポーツ両方で世界のトップを狙う選手もいる。OVSのセーリング競技で2位になったバート・ランブリクス選手は、前週にオランダ・メデンブリックで開催されたワールドカップ・アリアンツレガッタで優勝し、東京五輪オランダ代表選手に選出された。3位のジョアン・カルドナ選手も、同競技のスペイン代表であり、リアルのトップセーラーがeスポーツでも活躍している。

eセーリング イメージ

コロナ禍で所属企業のヨット部の活動が停止して以来、eセーリングに集中したという選手もいる。eスポーツ環境が整備されれば、資金面などの問題でリアルでは継続することが難しい競技でも続けることができるようになり、競技人口の裾野を広げる効果も期待できる。また、感染症対策への配慮が求められる今、バーチャルでもリアルと同じような形で競技が開催できるようになるメリットは大きい。VR技術や通信環境がさらに進化し、リアルとバーチャルの差は小さくなっていけば、リアルとeスポーツの二足の草鞋で活躍する選手も増えていくだろう。

リアル大会でも、eスポーツが競技種目に

eスポーツを、リアルのスポーツイベントの正式種目として採用しようとする動きも広がっている。2018年にインドネシアで開催されたアジア競技大会では、eスポーツがデモンストレーション競技として、個人競技3種目、団体競技3種目が開催された。「ウイニングイレブン 2018」を採用して実施されたサッカーで、日本代表は金メダルを獲得している。2019年にフィリピンで行われた東南アジア競技大会では、eスポーツが正式競技として実施されて人気を博した。そして、2022年、中国・杭州で開催される第19回アジア競技大会で、いよいよeスポーツが正式なメダル競技として実施されることが決まっている。

オリンピックでの正式採用に向けて

2017年にスイス・ローザンヌで行われた五輪サミットにおいて、IOCはeスポーツの五輪競技化に向けて、前向きに検討を始めることを発表した。今回のバーチャルオリンピックの開催は、正式採用に向けた一歩といえる。しかし、オリンピック憲章「IOCの使命と役割」の項には、「スポーツと選手を政治的あるいは商業的に悪用することに反対する」との一文がある。私企業が著作権を持つ商品を、正式な五輪競技として採用することは、この憲章に抵触するというとの指摘もある。実際に、2018年のアジア大会で採用されたゲームタイトル6つのうち5つは、中国の大手IT企業、テンセントが傘下に収める、あるいは出資先の企業が開発したゲームだった。

オリンピック イメージ

ゲームの普遍性の確保も、eスポーツの課題といえる。ゲームには流行があり、また5GやVR技術によって日々進歩している。今年のゲームと、4年後のゲームは全く異なったものになる可能性があり、競技の普遍性、連続性という点で、リアルの競技とは大きな違いがある。今回のバーチャルオリンピックでは、国際スポーツ連盟が公認している、あるいは提携しているゲームタイトルが選定されるなど、こうした課題への配慮がみられた。今回、IOCが公式にeスポーツを認知した格好になるが、今後、eスポーツが正式な五輪競技となるためには、このような課題を解決していくことが鍵となるだろう。

※注1:オリンピック・バーチャルシリーズ(OVS)は、国際オリンピック委員会(IOC)が各国際競技連盟と主催する公式eスポーツ大会のこと。第一回目となるOVSは、東京オリンピックに先駆けて2021年5月13日からオリンピックデーである6月23日にかけて開催された。IOCは、2021年3月に、「バーチャルスポーツの発展を促し、ビデオゲームコミュニティとの関わりを深める」ことなどの提言をまとめた「アジェンダ2020+5」を採択しており、OVSの開催は、同アジェンダに沿ったものといえる。

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